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神戸には、六甲山の緑や海へ向かう坂道、高台からの眺望、歴史を感じる街並みなど、地域ごとに特徴的な景観があります。
こうした街並みや自然環境を守るため、土地によっては景観計画や風致地区などのルールが設けられています。
そのため、「好きな色の外壁にできないのでは?」「建物を大きくできないのでは?」「庭や植栽を必ずつくらなければならないの?」と不安になる方もいるでしょう。
一方で、景観や風致に関するルールは、単に住宅デザインを制限するものとして考える必要はありません。
周囲の緑、坂、眺望、街並みを読み取り、建物だけでなく庭や外構まで一体で考えることで、その土地だからこそ似合うデザイン住宅につなげることもできます。
このページでは、神戸で注文住宅を検討する際に知っておきたい景観計画と風致地区の違い、高さ・建ぺい率・緑地・外観などへの影響と、土地購入前に確認しておきたいポイントを紹介します。
「景観」と「風致地区」は似た言葉に感じますが、目的や住宅設計へ影響するポイントが異なります。
土地を検討するときは、それぞれを分けて確認しましょう。
神戸市では、景観法に基づく景観計画を定め、街並みや眺望などの保全・形成を進めています。
さらに、特に重点的に景観形成を図る場所として、都市景観形成地域、沿道景観形成地区、眺望景観形成地域などが設定されています。
地域・地区によって内容は異なりますが、住宅計画では次のような要素が景観との関係で確認事項になる場合があります。
風致地区は、都市の中にある良好な自然的景観を維持し、自然環境と開発を調和させるために定められる地域です。
神戸市では六甲山をはじめ、自然的景観に特徴のある地域や、緑豊かな住宅地などが風致地区として指定されています。
風致地区では、建築物の高さや建ぺい率だけでなく、道路・隣地から建物を離す距離や敷地内の緑地などについて基準があります。
また、建築だけではなく、土地の造成や樹木の伐採などにも許可が必要になる場合があります。
神戸市では広い範囲を景観計画の対象とし、その中でも地域ごとの特色に応じて重点的な景観形成を行う地域・地区を設定しています。
そのため、「北野や旧居留地のような観光地だけ確認すればよい」というものではありません。
神戸市内には、歴史的な街並み、海岸沿い、主要道路沿い、眺望を守る場所など、地域特性に応じた景観形成の方針があります。
同じ神戸市内でも、土地がどの地域・地区に含まれているかによって確認すべき内容が異なるため、購入候補地ごとに調べることが重要です。
景観計画の対象区域だからといって、すべての戸建住宅で同じ手続きが必要になるわけではありません。
届出の要否や基準は、計画する場所、建築物の規模、該当する地域・地区などによって異なります。
「景観計画区域にある」という情報だけで判断せず、購入候補地と具体的な建物計画をもとに確認しましょう。
景観形成を重視する地域・地区では、建物の外観が周囲の街並みと大きく調和を欠かないよう、色彩に関する基準が設けられている場合があります。
その際は、「白ならよい」「黒なら使えない」といった単純な考え方ではなく、色相、明度、彩度、使用する面積などを含めて確認する必要があります。
神戸市の景観に関する手続きでは、マンセル表色系による色彩の確認が行われる場合もあります。
住宅の外観は、色だけで決まるものではありません。
道路から見た建物の大きさ、周辺住宅との距離、屋根の形、建物の配置なども街並みの印象に影響します。
周囲から突出した建物をつくるのではなく、その場所の街並みを読みながら住宅のボリュームを考えることが大切です。
デザイン住宅では、建物そのものを整えても、エアコンの室外機、給湯器、配管などが正面から目立つと外観全体の印象が変わります。
道路から見えにくい位置へ設備をまとめたり、植栽や外構と組み合わせたりするなど、設備まで含めて外観を設計しましょう。
道路から見える景観は建物だけで構成されているわけではありません。
門柱、塀、フェンス、擁壁なども街並みをつくる重要な要素です。
特に高低差のある土地では擁壁が道路側から大きく見える場合があるため、建物と外構を別々に考えないことが重要です。
建物と道路の間に植栽を設けることで、住宅の圧迫感を抑えたり、周囲の緑と住宅をつないだりできます。
神戸の景観を活かした家づくりでは、住宅の外観だけでなく、庭、アプローチ、植栽まで含めて一つのデザインとして考えてみましょう。
神戸市の風致地区は、第1種・第2種・第3種に区分され、種別によって建築物の高さ、建ぺい率、壁面後退、緑地率などの基準が異なります。
| 確認項目 | 第1種 | 第2種 | 第3種 |
|---|---|---|---|
| 建物高さ | 10m以下 | 10m以下 | 15m以下 |
| 建ぺい率 | 20%以下 | 30%以下 | 40%以下 |
| 道路からの壁面後退 | 3m以上 | 3m以上 | 2m以上 |
| 隣地からの壁面後退 | 1.5m以上 | 1.5m以上 | 1m以上 |
| 緑地率 | 50%以上 | 40%以上 | 30%以上 |
上記は主な許可基準です。土地や計画内容によって確認すべき条件や例外等があるため、具体的な住宅計画では神戸市や住宅会社へ確認しましょう。
風致地区の特徴の一つが、敷地内に一定の緑地を確保する基準です。
緑地率とは、敷地面積に対して、植栽などを行える緑地がどの程度確保されているかを示す割合です。
基本的には、次のように考えます。
緑地率=緑地面積÷敷地面積×100
神戸市の風致地区では、第1種で50%以上、第2種で40%以上、第3種で30%以上の緑地率が主な許可基準となっています。
「敷地の30%を空ければよい」という意味ではありません。
神戸市では、駐車スペース、アプローチ、舗装部分など、植栽できない場所は原則として緑地面積に算入できないとされています。
例えば、土地に次のすべてを配置したい場合は、早い段階で面積のバランスを確認する必要があります。
土地面積が十分にあるように見えても、建ぺい率や緑地率を反映すると、建物や駐車場へ使える部分が想定より限られる場合があります。
注文住宅用の土地を見る際は、不動産情報に掲載されている用途地域上の建ぺい率だけで判断しないことが重要です。
風致地区では、種別ごとに20%・30%・40%以下という建ぺい率の許可基準があります。
そのため、用途地域、風致地区、そのほか土地に関係する条件を重ねて確認し、実際にどの程度の建物を配置できるか判断しましょう。
特に広いLDKや平屋など、1階部分に大きな建築面積を必要とする住宅では影響が大きくなる可能性があります。
風致地区では、周囲の自然景観との調和を図るため、建物の高さについても基準があります。
神戸市の主な許可基準では、第1種・第2種は高さ10m以下、第3種は15m以下です。
高さの基準は、単純に「何階建てまで」と決めるものではありません。
同じ2階建て・3階建てでも、天井高、屋根形状、地盤面などによって建物全体の高さは変わります。
次のような住宅を検討している場合は、土地購入前から高さを含めた断面計画を確認しましょう。
神戸市の風致地区では、道路や隣地との境界から建物の外壁等を一定距離離す壁面後退の基準があります。
第1種・第2種では道路から3m以上、隣地から1.5m以上、第3種では道路から2m以上、隣地から1m以上が主な基準です。
このため、土地面積が大きくても、敷地境界ぎりぎりまで建物を配置できるとは限りません。
敷地の四方から一定の距離を確保する必要がある場合、土地の中央に住宅を配置する形になり、実際に建物を建てられる範囲が小さくなることがあります。
特に土地の間口が狭い場合は、建ぺい率だけでなく壁面後退後に残る建築可能な範囲も確認しましょう。
風致地区では、建物を建てる行為だけが規制の対象になるわけではありません。
既存の自然環境を大きく変える行為についても、事前に許可が必要になる場合があります。
神戸市の風致地区では、高さ1.5m以上の木竹を伐採する場合、基本的に許可が必要とされています。
住宅を建てるために既存樹木をすべて撤去するのではなく、残せる木を庭のシンボルツリーとして活かすなど、既存の緑を設計へ取り込む方法も検討してみましょう。
傾斜のある土地を削ったり土を盛ったりするなど、土地の形を変える行為についても許可が必要になる場合があります。
神戸の坂や傾斜地で注文住宅を検討する場合は、建物だけでなく、造成や擁壁、既存樹木まで含めて土地全体を確認することが重要です。
景観や風致に関するルールがあるからといって、デザイン性のある住宅を建てられないわけではありません。
重要なのは、好きなデザインをそのまま土地へ置くのではなく、その場所の景色や緑、街並みを住宅デザインの材料として考えることです。
土地を訪れたら、敷地だけでなく周囲を見渡してみましょう。
これらを確認することで、その土地に馴染みながら個性を出す方法を考えやすくなります。
外壁の色彩に一定の基準がある場合でも、住宅デザインの方法は色だけではありません。
例えば、外壁の凹凸、庇、窓、素材感などによって外観へ表情をつくることができます。
実際に採用できる材料・色彩は地域・地区ごとの基準や建物仕様によって異なるため、具体的な計画時に確認しましょう。
道路から住宅を見るときは、建物より先に植栽や門柱、アプローチが目に入ることもあります。
建物単体で完成させるのではなく、庭や外構まで含めて計画することで、街並みと住宅を自然につなげることができます。
風致地区では一定の緑地を確保する必要がありますが、このスペースを単に「空けなければならない場所」と考える必要はありません。
庭や植栽を室内空間と一体で計画すれば、住宅の魅力として活用できます。
緑地をリビングの窓から見える位置へ配置すれば、室内にいながら緑を感じられる住まいになります。
建物面積を必要以上に大きくするのではなく、庭まで含めてリビング空間として考えることで、視覚的な広がりをつくれる場合があります。
道路側の植栽は、景観をつくるだけでなく、住宅のプライバシー確保にも役立ちます。
塀だけで完全に閉じるのではなく、樹木や低木を組み合わせて視線を緩やかに遮る方法もあります。
建物の配置によっては、中庭や坪庭を設けて室内の複数方向から緑を見せることもできます。
ただし、中庭等が風致地区の緑地率へどのように算入されるかは、その形状や植栽条件等によって確認が必要です。
高台や眺望のある土地では、遠くの海や山だけを見るのではなく、敷地内の植栽を手前に配置することで景色に奥行きをつくれます。
例えば、
室内 → 庭の植栽 → 街並み → 海・山
というように複数の景色を重ねることで、窓から見える風景そのものを住宅デザインの一部にできます。
景色の良い土地では大きな窓を設けたくなりますが、すべての方向へ開く必要はありません。
窓を大きくする場所は、実際に何が見えるのかを確認して決めましょう。
海、山、庭など見せたい方向を選び、そこへリビングやダイニングから視線をつなげることで、窓を住宅の「額縁」のように使うことができます。
道路側へ大きく開くと、室内が外から見えやすくなり、実際にはカーテンを閉めたままになる場合があります。
道路側は高窓や植栽で視線をコントロールし、庭や眺望側へ大きく開くなど、方向によって窓の役割を変える方法があります。
大きな窓は室内の開放感をつくる一方、建物の外観や構造にも影響します。
窓単体で考えるのではなく、外壁の余白、庇、植栽などと組み合わせて住宅全体のデザインを整えましょう。
風致地区で住宅を建てる場合、建物と庭だけでなく駐車スペースも早い段階から配置しておくことが重要です。
駐車場やアプローチなど植栽できない部分は、原則として緑地面積に算入できません。
そのため、車を2台・3台と駐車したい場合は、住宅、駐車場、アプローチ、緑地をすべて敷地の中へ配置できるか確認しましょう。
神戸市の風致地区における建ぺい率の考え方では、屋根付きのカーポートは建築面積に含まれます。
住宅完成後に「空いた場所へカーポートを付けよう」と考えるのではなく、土地購入時から住宅と一緒に計画しておくことが重要です。
土地によっては、一つのルールだけを確認すればよいとは限りません。
例えば、次のような条件が同時に関係する場合があります。
そのため、「風致地区の建ぺい率だけ確認した」「景観の色彩だけ確認した」と一つの条件だけで土地を判断しないことが大切です。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 景観計画 | どの地域・地区に該当し、どのような基準があるか |
| 風致地区 | 第1種・第2種・第3種のどれに該当するか |
| 建物高さ | 希望する階数・天井高・屋根形状を実現できるか |
| 建ぺい率 | 希望する建築面積を確保できるか |
| 壁面後退 | 道路・隣地から離した後にどの程度の建築スペースが残るか |
| 緑地率 | 必要な植栽・庭の面積を確保できるか |
| 外壁・屋根 | 色彩・素材・外観デザインに関係する基準があるか |
| 既存樹木 | 伐採に許可が必要か、残して活用できるか |
| 造成 | 切土・盛土など土地形状の変更に許可が必要か |
| 駐車場 | 住宅・アプローチ・緑地と両立できるか |
| カーポート | 建築面積への算入を含めて計画できているか |
| 手続き | 景観の届出・風致地区の許可などが必要か |
神戸市では、土地の位置から景観に関する地域・地区などを確認できる情報が公開されています。
購入候補地が見つかったら、まずどのような指定がある場所なのかを確認してみましょう。
「風致地区である」というだけでは十分ではありません。
第1種・第2種・第3種によって、建物高さ、建ぺい率、壁面後退、緑地率の基準が異なります。
住宅計画へ大きく影響するため、土地の具体的な位置と種別を確認しましょう。
地図上の情報だけでは、土地境界付近の指定や具体的な住宅計画に必要な手続きを正確に判断できない場合があります。
希望する建物がある場合は、土地を購入する前に住宅会社へ相談し、必要に応じて神戸市の担当窓口へ確認しましょう。
神戸は土地によって、坂、高低差、眺望、景観、風致など複数の条件が重なることがあります。
住宅会社を選ぶ際は、神戸の土地条件を踏まえた住宅を実際に設計・施工しているか確認してみましょう。
土地購入後に「希望する大きさの家を建てられない」「駐車場を確保すると緑地率を満たせない」と分かることは避けたいところです。
気になる土地が見つかった段階で、景観・風致を含めた条件を調べてもらえる住宅会社へ相談するとよいでしょう。
風致地区では、庭や緑地が住宅計画の重要な一部になります。
建物完成後に余った場所へ植物を植えるのではなく、LDKから何が見えるか、道路から家がどう見えるかまで考えて植栽や外構を提案できる会社か確認しましょう。
土地条件によって希望する設計をそのまま実現できない場合でも、別の方法で住まいの魅力をつくることができます。
例えば、
というように、土地の条件を住宅デザインへ変換できる提案力を見ることが重要です。
神戸の景観を活かした住宅では、室内から見える景色と、道路から見える住宅の両方を考える必要があります。
間取り、窓、庭、植栽、外構、眺望まで一体で提案できる住宅会社を比較してみましょう。
神戸の景観を活かせる住宅会社を比較する
建物だけでなく、庭・植栽・外構・眺望まで含めて、その土地の条件をどのように住宅デザインへ活かしているか施工事例を確認してみましょう。
神戸市では景観計画が定められており、さらに地域特性に応じた重点的な景観形成地域・地区があります。
具体的な届出の要否や基準は建物の規模や計画地によって異なるため、購入候補地ごとに確認しましょう。
建てられる場合があります。
ただし、風致地区の種別などに応じて、建物高さ、建ぺい率、壁面後退、緑地率等の許可基準を満たす必要があります。
神戸市の風致地区では、第1種20%以下、第2種30%以下、第3種40%以下が主な許可基準です。
用途地域上の建ぺい率だけではなく、風致地区を含めてその土地に適用される条件を確認しましょう。
「3階建てだから一律に不可」とは判断できません。
風致地区の種別による高さ基準や、用途地域、高度地区など、その土地に関係する複数の条件を確認する必要があります。
地域・地区によっては、景観形成のため色彩に関する基準が設定されています。
希望する外壁色がある場合は、色そのものだけでなく使用面積や周囲との調和も含めて住宅会社へ確認しましょう。
神戸市の風致地区では種別に応じた緑地率の許可基準があります。
駐車場や舗装されたアプローチなどは原則として緑地には含まれないため、住宅・駐車場と植栽可能なスペースを一緒に計画する必要があります。
風致地区では、高さ1.5m以上の木竹の伐採について基本的に許可が必要とされています。
枯損木・危険木など許可が不要となる場合もあるため、具体的な伐採計画について確認しましょう。
景観・風致地区の土地では、購入前から相談することをおすすめします。
建ぺい率、高さ、壁面後退、緑地率などを反映して実際の住宅・駐車場・庭を配置することで、その土地で希望する暮らしを実現できるか判断しやすくなります。
神戸で注文住宅を建てる際は、用途地域や建ぺい率・容積率だけでなく、土地によって景観計画や風致地区などの条件も確認する必要があります。
特に風致地区では、建物の高さ、建ぺい率、壁面後退、緑地率などが住宅の配置や大きさに大きく関係します。
しかし、こうしたルールを「自由な家を建てられなくするもの」とだけ捉える必要はありません。
必要な緑地をリビングから見える庭として活かしたり、建物の高さを抑えながら横方向へ視線を抜いたり、落ち着いた色彩の中で素材や陰影によって外観へ個性をつくったりすることもできます。
「規制の中でどこまで自由にできるか」と考えるだけでなく、「その土地の緑・坂・眺望・街並みをどう住宅デザインへ取り込むか」という視点を持つことが、神戸らしい家づくりにつながります。
気になる土地が見つかったら、購入前に景観・風致地区での家づくりに対応できる住宅会社へ相談し、建物、庭、外構、眺望まで含めて計画してみましょう。
なお、景観・風致に関する指定や許可基準、手続きは土地や計画内容によって異なります。実際に住宅を計画する際は、神戸市の最新情報と担当窓口、住宅会社等へ確認してください。
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