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注文住宅の会社を探し始めると、まず施工事例を見る方も多いのではないでしょうか。
大きな窓のあるリビング、中庭、吹き抜け、ホテルライクな内装など、施工事例を眺めていると「こんな家に住みたい」とイメージが膨らみます。
ただし、施工事例を「おしゃれかどうか」だけで見て住宅会社を選ぶと、その会社が自分たちの土地や暮らしに合った提案をしてくれるかまでは分かりません。
注文住宅の施工事例で見るべきなのは、完成した家そのものだけではなく、「どんな土地・要望に対して、なぜこの設計になったのか」という背景です。
この記事では、注文住宅の施工事例を見るときに確認したいポイントを、土地条件、間取り、生活動線、窓、構造、住宅性能、外構、設計意図などの観点から解説します。
あわせて、神戸で施工事例を確認できる住宅会社について、それぞれどのような点を見ると設計の特徴が分かりやすいのかも紹介します。
施工事例を見る目的として、まず「自分の好きなデザインを探す」ことがあります。
モダン、和モダン、ナチュラル、ホテルライクなど、複数の住宅を見比べることで、自分でも言葉にできていなかった好みが見えてくることがあります。
しかし、住宅会社選びまで考えるなら、それだけでは不十分です。
施工事例は、住宅会社が土地や暮らしの課題に対して、どのような設計の答えを出したのかを見る資料として活用できます。
家づくりを始めたばかりの段階では、外観や内装を見て「好き」「あまり好みではない」と感じるだけでも十分です。
複数の施工事例を保存していくと、次第に自分の好みに共通点が見えてきます。
デザインの方向性が分からない場合は、まずテイスト別に施工事例を見比べてみるとよいでしょう。
施工事例を複数見ると、住宅会社ごとの得意分野も見えてきます。
たとえば、次のような傾向です。
1件だけを見るのではなく、同じ会社の事例を複数見ることで、その会社がどのような要望・土地条件を得意としているのかを確認しやすくなります。
施工事例を見るときに特に注目したいのが、完成した形に至るまでの課題と解決方法です。
たとえば、次のような関係です。
| 土地・要望の課題 | 設計による解決例 |
|---|---|
| 周囲を住宅に囲まれている | 中庭や高窓を使い、外からの視線を避けながら採光する |
| 高台で眺望がよい | 景色の方向へ大きく開き、視線を外へ伸ばす |
| 細長い土地 | 吹き抜けや光庭で家の奥まで光を取り込む |
| 柱の少ないLDKが欲しい | 構造計画を工夫し、大空間を成立させる |
このように見ると、施工事例は単なる写真集ではなく、住宅会社の設計力や提案力が表れた「問題解決の事例集」として使えます。
施工事例を見るときは、まず「どんな土地に建っているのか」を確認しましょう。
同じ間取りでも、土地条件が違えばそのまま自分の家へ取り入れられるとは限りません。
確認したい主な条件は次のとおりです。
たとえば、高台の施工事例で大きな窓から景色が広がっていても、住宅密集地の自分の土地に同じ窓をつければ、隣家の窓が正面に見える可能性があります。
自分の土地と条件が近い施工事例ほど、「自分ならどうなるか」を想像する材料になります。
間取り図が掲載されている場合は、写真だけでなく図面も確認しましょう。
見るポイントとして、次のようなものがあります。
重要なのは、「この間取りが好き」で終わらず、なぜその土地・家族に対してこの配置になったのかを考えることです。
たとえば2階LDKなら、眺望や採光、道路からの視線を考えた結果かもしれません。中庭があれば、住宅密集地でプライバシーを守りながら明るさを確保するためかもしれません。
完成写真だけでは分かりにくいのが、実際に暮らしたときの生活動線です。
施工事例を見る際は、家の中を歩くつもりで次の動線を確認してみましょう。
同じようにおしゃれな間取りでも、暮らし方によって使いやすさは変わります。
写真の印象だけでなく、「毎日この家でどのように動くのか」を想像しながら見てみましょう。
デザイン住宅の施工事例では、大きな窓が印象的に写っていることがあります。
しかし、「窓が大きいからよい」のではなく、どの方向へ開いているのかを見ることが重要です。
次の点を確認してみましょう。
「窓のサイズ」ではなく「窓の向こうに何を見せているか」まで見ると、その住宅会社が視線をどう設計しているかが分かります。
施工事例写真では、柱の少ない広々としたLDKや大きな吹き抜けに目が行きやすいでしょう。
しかし、住宅はデザインだけでは成立しません。
大空間・大開口を希望する場合は、次のような点も確認しましょう。
施工事例を見るときは、「広く見えるか」だけでなく、「その広さをどのような構造で成立させているか」まで確認すると、会社の特徴を比較しやすくなります。
施工事例ページに住宅性能が掲載されている場合は、デザインと合わせて確認しましょう。
たとえば、次のような情報があります。
ただし、施工事例ページに数値が掲載されていないからといって、性能が低いとは判断できません。
気になる事例があれば、相談時に「この家の断熱・気密・構造はどのようになっていますか?」と確認しましょう。
施工事例を見るときは、建物だけを切り取って見ないようにしましょう。
住宅の印象や暮らしやすさには、次のような外部空間も関係します。
たとえば、大きなリビング窓の外へ植栽を配置すれば、道路からの視線を抑えながら室内から緑を楽しめる場合があります。
建物と庭・外構を一つの空間として設計しているかも、施工事例を見るポイントです。
施工事例ページに説明文がある場合は、写真だけでなく文章も読んでみましょう。
特に確認したいのは、次の内容です。
「開放感のある家」「おしゃれなリビング」という完成形だけではなく、そこへ至った理由が書かれている施工事例ほど、住宅会社の設計思想を読み取りやすくなります。
自分の土地と似た条件の施工事例は、特に参考になります。
たとえば、神戸の住宅密集地なら、隣家からの視線や採光をどのように解決しているかを見るとよいでしょう。
高台なら、眺望をどの方向へ取り込み、道路や隣家との高低差をどう利用しているかが参考になります。
夫婦2人、子育て世帯、二世帯、ペットとの暮らしなど、家族構成によって必要な間取りは変わります。
自分と似た家族構成の事例を見ると、収納、個室、生活動線などをイメージしやすくなります。
大きな邸宅の施工事例は魅力的ですが、自分が予定している建物規模と大きく違う場合、そのまま間取りを参考にするのは難しいことがあります。
同程度の延床面積や敷地面積の事例も合わせて確認しましょう。
すでに家づくりの希望がある程度決まっている場合は、希望する空間から施工事例を探す方法もあります。
同じ空間でも会社ごとに設計方法が異なるため、複数社を比較してみましょう。
間取りだけでなく、暮らし方から事例を探すことも大切です。
たとえば、次のような希望です。
「同じ間取り」よりも「同じような暮らしをしたい人の事例」を探す方が、自分の家づくりの参考になることもあります。
住宅写真では、空間全体を写すために広角レンズが使われることがあります。
そのため、写真だけを見ると実際より広く感じる場合があります。
広さを確認するときは、次のものを基準にするとイメージしやすくなります。
完成直後の何も置かれていない部屋は、実際より広く見えやすいものです。
家具が置かれた施工事例や入居後の写真があれば、次の点を確認できます。
昼間の施工事例だけでなく、夜の写真があれば確認してみましょう。
夜になると、昼とは異なる住宅の特徴が見えます。
外観写真では建物だけを見るのではなく、できれば道路や隣家との関係も確認しましょう。
道路から玄関がどのように見えるか、駐車場から家へどう入るか、隣家との間にどの程度距離があるかなどを見ることで、土地への対応方法が分かります。
施工事例を詳しく見るなら、写真と間取り図を別々に見るのではなく、行き来しながら確認してみましょう。
たとえば、写真で大きな窓を見たら、図面でその窓がどの方角にあるのか確認します。
広いLDKの写真を見たら、間取り図で実際の広さや、隣接する部屋とのつながりを確認します。
「写真ではこう見える」→「図面ではこうなっている」と照らし合わせることで、空間のつくり方が理解しやすくなります。
間取り図を見るときは、自分が実際に住んでいるつもりで動線を指でなぞってみましょう。
たとえば、買い物から帰宅した場面を想定します。
玄関から入り、靴を脱ぎ、荷物を持ったままキッチンやパントリーまで移動してみます。
同じように、洗濯、入浴、就寝など日常生活の動きを確認すると、その間取りが自分に合うか判断しやすくなります。
間取り図に家具が描かれていない場合は、自分で家具を置いた状態をイメージしてみましょう。
特に確認したいのは、次の家具です。
家具を配置すると、空の状態では広く見えた部屋が思ったより狭く感じることもあります。
施工事例を見ても、その住宅と同じ家を同じ価格で建てられるとは限りません。
建築費には、次のような条件が影響します。
気になる施工事例があれば、「現在同じ規模・仕様で建てる場合、どの程度の予算になるか」を住宅会社へ確認しましょう。
施工事例ページでは、デザインを中心に紹介し、UA値やC値などを掲載していない場合もあります。
住宅性能を重視する場合は、写真だけで判断せず、断熱・気密・耐震・窓などの仕様を住宅会社へ確認しましょう。
完成直後の写真だけでは、実際に暮らしてからの使い勝手までは分かりません。
可能であれば、次のような情報も確認してみましょう。
完成時の美しさだけでなく、実際に住んだ人がどのように空間を使っているかを見ることで、施工事例への理解が深まります。
施工事例の件数は、会社の経験や対応してきた住宅の幅を見るひとつの材料になります。
ただし、事例数が多ければ必ず自分に合う会社というわけではありません。
施工事例が100件あっても、自分が希望するような住宅がほとんどなければ、参考にできる情報は限られます。
反対に事例数が多くなくても、自分と似た土地・暮らし・希望に対応した事例が複数確認できれば、検討材料になります。
施工事例は、「幅」と「深さ」の両方から確認するとよいでしょう。
| 見るポイント | 確認内容 |
|---|---|
| 事例の幅 | モダン・和モダン、大空間、中庭、狭小地、ガレージなど、さまざまな要望へ対応しているか |
| 事例の深さ | 土地条件、施主要望、間取り、構造、性能、設計意図などまで説明されているか |
施工事例を複数見るときは、どの家にも同じ間取りや同じデザインを当てはめていないか確認しましょう。
たとえば、中庭が得意な会社であっても、すべての家に中庭が必要とは限りません。
土地や家族によって、外庭、高窓、吹き抜け、大開口など解決方法を使い分けているかを見ることが大切です。
設計力を見るうえで重要なのは、住宅会社のデザインを土地へ当てはめるのではなく、土地を読んで住宅の形を変えているかという点です。
高台では景色へ開く、住宅密集地では中庭へ開く、道路からの視線が強ければ2階へLDKを配置するなど、敷地条件によって設計の答えが変わっているかを確認しましょう。
良い施工事例を見るときは「会社の型」ではなく、「土地と施主への答え」を探すという視点が役立ちます。
デザイン性の高い住宅には、検討すべき課題が生じる場合もあります。
たとえば、次のような関係です。
見た目だけではなく、デザインによって生じる課題まで含めて解決しているかを見ることが重要です。
住宅会社の施工事例には、それぞれの設計に対する考え方が表れます。
ここでは会社を優劣で比べるのではなく、施工事例を見るときにどこへ注目すると特徴をつかみやすいのかを紹介します。
| 住宅会社 | 施工事例で見るポイント | 特徴が見えやすいテーマ |
|---|---|---|
| WHALE HOUSE | 土地条件に対してどこへ開くか、大空間・中庭・外部空間を暮らしへどうつなげているか | 吹き抜け、ガレージ、中庭、2階LDK、眺望、プライバシー |
| フリーダムアーキテクツ | 施工事例ごとに間取り・外観・空間構成がどの程度変わっているか | 狭小地、中庭、二世帯住宅、個別設計 |
| seki.design | 敷地や周辺環境、景色、光を建物へどう取り込んでいるか | 高低差、眺望、大開口、中庭、周辺環境 |
| IDAHOMES(伊田工務店) | 素材・窓・吹き抜けなどを含め、空間全体をどのように構成しているか | SE構法、大開口、吹き抜け、素材、眺望 |
WHALE HOUSEは、神戸を中心に完全自由設計の注文住宅を手がけています。
施工事例には、吹き抜けLDKとガレージを組み合わせた3階建て住宅、テラスと帰宅動線をつなげた住宅、中庭を抱く住宅、2階LDKから空や光を取り込む住宅など、異なる土地・暮らしに対応した事例があります。
WHALE HOUSEの施工事例を見る場合は、「大きな窓がある」「吹き抜けがある」といった形だけでなく、なぜその土地でその空間構成になったのかを見ると特徴が分かりやすくなります。
確認したいポイントとして、次のようなものがあります。
また、WHALE HOUSEでは一部の施工住宅について、実際の施主宅を見学・相談できる「エスコートホーム」も案内しています。
写真だけでなく実際の住まいを見られる機会があれば、広さ、明るさ、動線、窓からの景色などを施工事例と照らし合わせて確認するとよいでしょう。
フリーダムアーキテクツは、多数の注文住宅の施工事例を公開しています。
施工事例を見る際は、「どの家が好みか」だけでなく、土地や家族構成が変わることで住宅の形がどの程度変わっているかを見るとよいでしょう。
狭小地、中庭のある住宅、二世帯・三世帯住宅など異なる条件の事例を比較することで、個別設計へのアプローチを確認しやすくなります。
seki.designは、神戸・芦屋・西宮などを中心に住宅設計を手がける一級建築士事務所です。
施工事例には、丘の上の土地、景色を活かした住宅、中庭のある平屋など、周辺環境との関係が分かりやすい住宅があります。
事例を見る際は、建物単体ではなく、「何が周囲にあり、その環境に対して建物をどこへ開いているか」に注目するとよいでしょう。
IDAHOMES(伊田工務店)は、神戸・芦屋・西宮などで注文住宅を手がけています。
施工事例では、SE構法を採用した住宅、吹き抜け、眺望を活かした住宅なども確認できます。
写真を見る際は、素材の美しさだけでなく、窓の位置、吹き抜け、構造、景色との関係まで合わせて見ると、空間全体の設計を理解しやすくなります。
気になる施工事例に近い住宅を実際に見学できる機会があれば、写真と現実の空間を比較してみましょう。
施工事例写真で感じた広さと、実際に立ったときの広さが同じか確認します。
家具の大きさや天井高、窓の高さなどを見ると、自分の家を考えるときの基準になります。
写真では窓そのものが目立っていても、実際には窓の向こうに何が見えるかが重要です。
ソファ、ダイニング、キッチンなど、普段過ごす位置へ立って外を見てみましょう。
玄関から入り、LDK、洗面、収納、寝室などへ移動してみることで、図面だけでは分からない動線を体感できます。
廊下の幅、階段の位置、キッチンまわりの距離感なども確認しましょう。
見学時にはデザインだけでなく、室内環境にも意識を向けてみましょう。
見学会で設計者や担当者へ話を聞ける場合は、完成した家について質問してみましょう。
完成した形の理由を聞くことで、その住宅会社がどのように家を設計しているのかを確認できます。
気になる施工事例を見つけたら、そのまま「同じ家にしてください」と伝えるのではなく、設計の背景を聞いてみましょう。
何件見れば十分という決まりはありません。
ただ数を増やすより、デザイン、土地条件、間取り、住宅性能など条件を分けながら複数の事例を見ることをおすすめします。
同じ会社の事例も複数見ると、その会社の得意分野や設計傾向が分かりやすくなります。
Instagramは、デザインの好みを探したり、家づくりのアイデアを集めたりする際に便利です。
ただし、写真だけでは土地条件、間取り、構造、住宅性能などが分からない場合があります。
気になる住宅を見つけたら、住宅会社の公式施工事例ページも確認しましょう。
完全に同じ間取りを探す必要はありません。
むしろ、自分と同じような土地・暮らしの課題に対して、住宅会社がどのような解決方法を提案しているかを見ることが重要です。
参考にはなりますが、そのまま自分の家の価格として考えない方がよいでしょう。
建築時期、延床面積、土地条件、構造、素材、設備などによって価格は変わります。
気になる事例があれば、現在同じ規模・仕様で建てる場合の費用を確認しましょう。
施工事例の件数だけで判断する必要はありません。
自分の希望に近い住宅を手がけた経験があるか、施工事例の設計背景まで説明されているか、実邸を見学できるかなども合わせて確認しましょう。
注文住宅の施工事例を見るときは、外観やインテリアがおしゃれかどうかだけで判断するのではなく、設計の背景まで確認することが大切です。
住宅会社を比較するときは、次のポイントを見てみましょう。
施工事例は、「自分が真似したい家」を探すだけの資料ではなく、「その住宅会社がどのように家づくりの課題へ答える会社なのか」を見る資料です。
WHALE HOUSE、フリーダムアーキテクツ、seki.design、IDAHOMESなどの施工事例を比較する際も、「どの家が一番おしゃれか」だけでなく、それぞれの土地や暮らしに対して、どのような設計の答えを出しているのかを確認してみましょう。
そして気になる施工事例が見つかったら、「この家と同じようにしてください」と伝えるのではなく、「この家はなぜこの設計になったのですか?」「私たちの土地なら、どのように変わりますか?」と聞いてみることをおすすめします。
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