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家族がそれぞれ別のことをしていても、同じ空間で気配を感じながら過ごせる。友人や親族を招いたときにも、人数を気にせずゆったり集まれる。そんな暮らしを思い描き、開放感のある大空間リビングを希望する方は少なくありません。
神戸には、六甲山や海、庭の植栽、高台からの街並みなど、住まいの中へ取り込みたい景色があります。大きな窓や吹き抜けを設け、リビングと庭やテラスをつなげれば、床面積以上の広がりを感じられる空間も目指せます。
一方で、LDKの面積を広くするだけでは、必ずしも暮らしやすく開放的な家になるとは限りません。室内の中央に柱や壁が残って視線が遮られたり、家具を置いたことで動線が狭くなったり、冷暖房効率や耐震性に不安が生じたりすることもあります。
そこでこの記事では、神戸で大空間リビングのある注文住宅を建てたい方に向けて、広さ、天井高、窓、動線、家具、構造、住宅性能の観点から、開放感を生む設計のポイントを解説します。
あわせて、神戸で大空間の施工事例を確認できる住宅会社の例や、相談時に確認したいポイントも紹介します。
大空間リビングに、明確な広さの定義はありません。一般的には、リビング、ダイニング、キッチンを壁や建具で細かく区切らず、ひとつながりの広いLDKとして構成した空間を指します。
ただし、床面積が広ければ必ず開放的に見えるわけではありません。同じ30畳のLDKでも、室内の中央に柱や背の高い収納がある場合と、窓や庭まで視線が抜ける場合とでは、感じられる広さが大きく異なります。
大空間の印象は、次のような要素の組み合わせによって生まれます。
大空間リビングを考えるときは、「何畳あるか」だけではなく、どこまで視線が抜け、どのように人が動き、どこで過ごすのかまで確認することが大切です。
広さの感じ方は、家族の人数や家具、天井高、間取りによって変わるため、「何畳以上なら大空間」という一律の基準はありません。
おおよそのイメージを整理すると、次のようになります。
| LDKの広さ | 空間のイメージ |
|---|---|
| 18~20畳程度 | 4人家族が過ごしやすい、一般的なLDKとして計画しやすい広さ |
| 25~30畳程度 | 大きなダイニングやアイランドキッチン、ゆとりのあるソファを配置しやすい広さ |
| 30~40畳程度 | 家族と来客が集まり、複数の居場所を設けやすい大空間 |
| 40畳以上 | 大規模な吹き抜けやホームパーティー、趣味空間などを組み込みやすい広さ |
ただし、畳数だけで判断するのは避けましょう。ソファやダイニングテーブル、キッチンを配置した状態で、通路幅や視線の抜けを確認する必要があります。
大空間リビングの魅力は、単に「広いこと」ではありません。家族や来客がどのように過ごすかを柔軟に受け止められる点にあります。
料理をする人、ダイニングで仕事や勉強をする人、ソファでくつろぐ人、床で遊ぶ子ども。それぞれが異なることをしていても、壁で区切られていなければ、家族の気配を自然に感じられます。
すべての行動を同じ場所に集約するのではなく、ひとつの大きな空間の中に複数の居場所をつくることで、一緒にいながら、適度な距離を保てる暮らしが生まれます。
大空間LDKでは、大きなダイニングテーブルやアイランドキッチンを設けやすく、家族や友人が集まる場にも向いています。
キッチン、ダイニング、リビングがひとつながりになっていれば、料理をする人も会話に参加しやすく、人数が増えたときも複数の場所に自然と人が分かれます。
人を招く機会が多い方は、広さだけでなく、キッチンの周囲を回れる動線や、荷物を置ける収納、庭やテラスへの出入りも含めて計画するとよいでしょう。
神戸には、六甲山、海、高台からの街並みなど、住まいから楽しめる景色があります。大きな窓やピクチャーウインドウを設けることで、景色をリビングの一部として取り込めます。
また、庭やテラスとリビングを大開口でつなげれば、視線が屋外まで伸び、実際の床面積以上に広く感じられます。室内と屋外の床の高さや素材をそろえると、より一体感を高めやすくなります。
固定された壁や柱が少ない空間は、家具の置き方によって用途を変えやすいことも特徴です。
子どもが小さいうちは遊び場として使い、成長後はワークスペースや趣味の場所にするなど、家族構成やライフスタイルの変化に対応できます。
神戸で完全自由設計の住宅を手がけるWHALE HOUSEでも、あらかじめ用途を細かく決めすぎず、将来の暮らしに合わせて使い方を考えられる「余白」のある空間を重視しています。大空間を計画する際は、現在の使い方だけでなく、10年後、20年後の使い方も設計士と話し合うとよいでしょう。
開放感は、LDKの面積を増やすだけでは生まれません。視線、天井、窓、動線、家具などを一体的に計画する必要があります。
ここでは、大空間リビングを設計する際に確認したい7つのポイントを解説します。
同じ広さのLDKでも、室内の中央に柱や壁、背の高い収納があると、空間が途中で分断されて見えます。
玄関やリビングの入口から、窓、庭、テラスまで視線が伸びるように計画すると、実際の面積以上の奥行きを感じやすくなります。
ただし、柱や壁は建物を支える役割も担います。見た目だけで取り除くのではなく、構造計画とあわせて検討しましょう。
床面積を横方向に広げるだけでなく、吹き抜けや勾配天井、折り上げ天井を使って縦方向へ広げると、開放感を高められます。
特に吹き抜けは、1階と2階の視線や気配をつなぎ、上部の窓から室内の奥へ光を落とせることが魅力です。
一方で、採用する際は次の点も確認する必要があります。
吹き抜けは、見た目の印象だけでなく、断熱、空調、音、メンテナンスまで含めて設計することが重要です。
大きな窓を設けると、室内から屋外へ視線が伸び、リビングが実際の床面積以上に広く感じられます。
庭やテラスとつなげる場合は、窓を開けたときだけでなく、閉めているときにも内外がつながって見えるように計画しましょう。
ただし、大きな窓は、夏の日射、冬の冷気、外からの視線、耐震壁の不足につながる可能性もあります。窓の大きさだけでなく、方角、ガラス、サッシ、庇、カーテン、構造まで含めて検討しましょう。
大空間LDKでは、すべてを同じ仕上げにすると、広いだけで落ち着きにくい空間になることがあります。
壁で完全に区切るのではなく、天井、床、照明、家具などを使い、用途ごとに緩やかにゾーンを分けると、開放感と居心地を両立しやすくなります。
視線はつなげながら、過ごし方は緩やかに分けることが、大空間を落ち着ける場所にするポイントです。
LDKが広くても、キッチンや家具の周囲に行き止まりが多いと、家族の動きが同じ場所へ集中してしまいます。
特に、料理、配膳、片付け、子どもの移動、庭への出入りが重なる時間帯は、通路の混雑が起こりやすくなります。
次のような動線を設計段階で確認しましょう。
通路を広く取るだけでなく、人が自然に別の方向へ動ける経路をつくることが重要です。
図面上では広く見えても、大きなソファやダイニングテーブル、テレビボードを置くと、通路が狭くなることがあります。
設計の初期段階から、現在使っている家具や購入予定の家具の寸法を図面に入れてもらいましょう。
家具を後から空いた場所へ置くのではなく、家具も空間を構成する要素として計画することで、大空間を無駄なく使いやすくなります。
大空間では、柱や壁を少なくするほど、建物をどのように支えるかが重要になります。また、空調する容積や窓面積も大きくなりやすいため、断熱・気密・空調の設計も欠かせません。
確認したい主な項目は次のとおりです。
間取りが完成してから構造や空調を付け足すのではなく、空間・構造・住宅性能を初期段階から一体で設計することが重要です。
木造住宅でも、工法や構造計画によっては、室内中央の柱や壁を減らした大空間を実現できる可能性があります。
ただし、一般的な木造軸組工法では、建物を支える柱や耐力壁が必要です。大きな窓を設けたり、30畳、40畳といった柱の少ない空間を計画したりする場合は、構造上の制約が生じることがあります。
木造で大空間をつくる方法には、次のようなものがあります。
たとえば、WHALE HOUSEでは、大空間や大開口を取り入れる住宅において、必要に応じてSE構法を採用しています。また、seki.designでは木造門型のSG-Frame構法を用いた空間提案を行うなど、会社によって構造へのアプローチは異なります。
「木造なら何畳まで柱をなくせる」と一律に判断することはできません。建物の形、階数、窓の位置、敷地条件などによって異なるため、希望する間取りをもとに構造計算を行ってもらいましょう。
大空間リビングは魅力的ですが、広さや見た目を優先するあまり、暮らし始めてから不便を感じる可能性もあります。
あらかじめ起こりやすい問題を把握し、設計段階で対策しておきましょう。
大空間や吹き抜けでは、冷暖房する空気の量が増えます。窓が大きい場合は、夏の日射や冬の冷気の影響も受けやすくなります。
対策として、次の点を確認しましょう。
壁で区切られていないLDKでは、テレビの音、子どもの声、料理のにおいなどが空間全体へ広がりやすくなります。吹き抜けがある場合は、2階にも音が伝わります。
空間全体を均一に広くすると、人によっては落ち着きにくく感じることがあります。大空間の中に、天井が低い場所や壁に囲まれた小さな居場所を設けると、過ごし方を選べるようになります。
大きな空間の中に小さな居場所をつくることで、家族がその日の気分に合わせて過ごせます。
大空間LDKは室内全体が見渡せるため、物が出たままになっていると生活感が目立ちやすくなります。
収納量だけでなく、物を使ってから戻すまでの動線を短くすることが大切です。
建物全体の面積が決まっている中でLDKを広くすると、個室、収納、水回りなどが狭くなる可能性があります。
家族が長い時間を過ごすLDKを重視すること自体は問題ありませんが、家全体の面積配分を確認しましょう。
神戸には、高台や傾斜地、海沿い、住宅密集地など、さまざまな土地条件があります。
大空間リビングを実現する際は、建物内部だけでなく、その土地の眺望、日射、風、周辺環境まで読み取ることが重要です。
高台や傾斜地では、六甲山や海、街並みを見渡せる可能性があります。眺望方向へ大開口を設け、リビングやダイニングから景色を楽しめるようにすると、土地の特徴を活かした大空間になります。
隣家との距離が近い土地では、道路や隣家に向かって大きな窓を設けても、カーテンを閉めたままになることがあります。
このような土地では、中庭や吹き抜け、高窓を使い、外からの視線を遮りながら室内へ光を取り込む設計が有効です。
須磨や垂水など海に近い地域では、海の眺望を活かした大空間リビングを計画できる場合があります。
一方で、潮風や強風、湿気の影響も考える必要があります。
神戸で大空間リビングを検討する際は、完成写真の印象だけでなく、柱や壁をどのように処理しているか、吹き抜けや大開口をどのような構造で支えているかまで確認することが大切です。
ここでは、神戸や兵庫県内で、大空間や大開口を取り入れた住まいを検討できる住宅会社の例を紹介します。
各社で得意とするデザインや構造、設計の進め方は異なります。自分たちの希望に近い施工事例があるかを見比べてみましょう。
| 住宅会社 | 大空間に関する特徴 | 施工事例で確認したい点 |
|---|---|---|
| WHALE HOUSE | 必要に応じてSE構法を採用し、大空間・大開口と耐震性の両立を検討。用途を限定しすぎない「余白」のある設計も特徴 | 柱の少ないLDK、吹き抜け、大開口、庭や眺望とのつながり |
| seki.design | 木造門型のSG-Frame構法を採用し、間取りの型にとらわれない空間を提案 | 門型フレームを使った大開口、ガレージ、大空間の構成 |
| フリーダムアーキテクツ | 工法をひとつに限定せず、施主の希望や予算、土地条件に応じて住宅を設計 | 吹き抜け、スケルトン階段、中庭などを組み合わせたLDK |
| L.D.HOMES | シンプルな空間構成と窓配置、ウッドデッキなどを組み合わせた住宅を提案 | 海や庭へ視線が抜けるリビング、内外がつながる空間 |
WHALE HOUSEは、神戸を拠点に完全自由設計の住宅を手がける会社です。
大空間や大開口を取り入れる住宅では、柱や耐力壁の配置が間取りの自由度に影響します。同社では、必要に応じてSE構法を採用し、構造計算に基づいて大空間と耐震性の両立を検討しています。
また、部屋ごとの使い方を細かく固定するのではなく、家族構成や暮らし方の変化に合わせて活用できる「余白」のある設計を重視している点も特徴です。
施工事例を見る際は、LDKの広さだけでなく、窓からの眺望、庭とのつながり、家具を置いた後の使い方まで確認するとよいでしょう。
seki.designは、木造門型のSG-Frame構法を採用し、一般的な「nLDK」という間取りの型にとらわれない住宅を提案する一級建築士事務所です。
門型フレームを使うことで、大きな開口部やガレージ、柱の少ない空間を検討できる点が特徴です。
大空間の施工事例では、構造フレームが空間や外観にどのように組み込まれているかを確認してみましょう。
フリーダムアーキテクツは、あらかじめ決められた住宅商品へ要望を当てはめるのではなく、施主の希望や土地、予算をもとにゼロから住宅を設計しています。
施工事例には、吹き抜け、スケルトン階段、中庭などを組み合わせたLDKも見られます。
希望する広さだけでなく、どのような方法で空間を広く見せているか、生活動線がどのように組み込まれているかを確認するとよいでしょう。
L.D.HOMESは、必要なものを整理したシンプルな住宅デザインを重視しています。
施工事例では、窓の数や位置を整理しながら、海や庭へ視線が伸びるリビング、ウッドデッキやバルコニーとつながる空間などが見られます。
大空間の広さだけでなく、窓によって景色や外部空間をどのように取り込んでいるかを確認してみましょう。
住宅会社の公式サイトに大空間リビングの写真が掲載されていても、自分たちの土地や希望で同じような空間を実現できるとは限りません。
会社を比較する際は、写真の好みだけでなく、設計や構造について具体的に説明できるかを確認しましょう。
大空間の施工事例が1件だけではなく、異なる土地や家族構成、デザインで複数掲載されているかを確認します。
事例を見る際は、次の点にも注目しましょう。
柱や壁を少なくしたいと伝えた際に、「できます」と答えるだけでなく、どのような構造で実現するのかを説明してくれる会社を選びましょう。
相談時には、次のような質問が役立ちます。
大空間が完成してからエアコンを選ぶのではなく、間取りの検討段階から空調計画が組み込まれているかを確認しましょう。
窓の性能、日射、吹き抜け、天井高、家族が長く過ごす場所を踏まえ、必要な空調能力や配置を説明してもらうことが大切です。
大空間は、建物だけを広くすれば完成するわけではありません。家具や照明を置いたときに、初めて実際の暮らし方が見えてきます。
こうした要素まで含めて提案してくれる会社であれば、広さだけでなく、暮らしやすい大空間を検討しやすくなります。
営業担当者を通じて要望を伝えるだけでなく、実際に間取りや構造を考える設計士と直接話せるかも確認しましょう。
「広いリビングが欲しい」という要望だけでなく、誰と、どのように過ごしたいのかまで共有することで、希望する暮らしに合った提案を受けやすくなります。
写真や図面では、実際の広さ、天井高、温度、音の響き方までは分かりません。大空間の完成見学会へ参加できる場合は、次の点を確認しましょう。
見学時には、設計者へ「なぜこの位置に柱や窓があるのか」「空調はどのように計画したのか」と質問すると、その会社の設計意図を理解しやすくなります。
大空間に明確な広さの基準はありません。家具や家族人数にもよりますが、25~30畳程度から、一般的なLDKよりも広がりを感じやすくなります。
ただし、畳数だけでなく、柱、天井高、窓、家具配置、庭への視線なども開放感を左右します。
工法や建物の形によっては、木造住宅でも柱の少ない大空間を実現できる可能性があります。
ただし、すべての土地や間取りで可能とは限りません。窓の位置、建物の階数、耐震計画などを踏まえ、構造計算を行ったうえで判断する必要があります。
大空間は、一般的な個室よりも空調する容積が大きく、窓面積も増えやすいため、断熱・気密・空調計画の影響を受けやすくなります。
断熱材、気密施工、窓性能、日射、エアコンの位置などを一体的に計画することが大切です。
窓を大きくすると、耐力壁として使える部分が少なくなります。そのため、窓の大きさや位置によっては構造計画への影響があります。
一方で、構造フレームや耐力壁の配置を適切に計画することで、大開口と耐震性を両立できる可能性があります。
大空間は、壁や柱の少ない広い空間全般を指します。吹き抜けは、上下階の床を設けず、縦方向につながりをつくる設計です。
大空間LDKに吹き抜けを組み合わせることもありますが、吹き抜けがなくても、高天井や大開口によって開放感をつくることは可能です。
吹き抜け、高窓、勾配天井、スケルトン階段、中庭などを活用すれば、床面積が限られていても開放感をつくれる可能性があります。
横方向に広げるだけでなく、縦方向の広がりや、窓の先へ視線を伸ばす方法を検討しましょう。
神戸で開放感のある大空間リビングをつくるには、単にLDKの畳数を増やすだけでは不十分です。
住宅会社を比較する際は、完成写真の印象だけでなく、大空間をどのような構造で支え、快適性をどう確保しているかまで確認しましょう。
WHALE HOUSE、seki.design、フリーダムアーキテクツ、L.D.HOMESなど、神戸で異なる方法によって大空間へ対応する会社の施工事例を見比べることで、自分たちが求める空間と各社の得意分野を整理しやすくなります。
気になる会社が見つかったら、「何畳のLDKが欲しいか」だけではなく、その空間で誰と、どのように過ごしたいのかを設計士へ伝えてみましょう。