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リビングいっぱいに広がる大きな窓から、庭の緑や空を眺める。高台なら神戸の街並みや海、山の景色を室内にいながら楽しむ。そんな大開口のある家に憧れる方は多いのではないでしょうか。
大きな窓は、室内と屋外の境界を曖昧にし、実際の床面積以上の広がりを感じさせてくれます。庭やテラスとリビングをつなげれば、日常の過ごし方そのものを豊かにすることもできます。
一方で、「窓は大きいほど開放的になる」と考えて設計すると、冬の寒さや夏の暑さ、外からの視線、家具配置、耐震性などで後悔する可能性があります。
大切なのは窓のサイズそのものではなく、「その窓から何を見るのか」「どこへ視線を伸ばしたいのか」から逆算して設計することです。
この記事では、大開口のある家の魅力と注意点を、眺望・採光・窓性能・日射・プライバシー・耐震性の観点から解説します。あわせて、神戸で大開口を取り入れた住宅を検討できる住宅会社の例も紹介します。
住宅における「大開口」に、明確なサイズの定義があるわけではありません。
一般的には、壁面を大きく使った窓や、庭・テラスへ大きく開く窓など、通常よりも広い開口部を設けた住宅を「大開口のある家」と表現します。
たとえば、次のような窓や設計があります。
ただし、大開口の魅力は「窓が何mあるか」だけでは決まりません。
大きなサッシを設置しただけでは、必ずしも開放感のある空間になるとは限りません。
同じ大きさの窓でも、正面に隣家の壁がある場合と、庭や海、山まで視線が抜ける場合とでは、室内で感じる広がりは大きく異なります。
大開口を考える際は、次の点を確認しましょう。
「大きな窓をつくる」のではなく、「外の景色まで含めて室内を設計する」という考え方が、大開口を活かすポイントです。
大開口の大きな魅力は、室内から屋外へ視線を伸ばせることです。
たとえば20畳のLDKでも、窓の先にテラスや庭が広がっていれば、視覚的には屋外までがひと続きの空間のように感じられます。
内外の一体感を高めるには、次のような設計が効果的です。
単に床面積を広げるだけではなく、視線の届く範囲を広げることで開放感をつくることができます。
神戸では、土地によって六甲山、海、高台からの街並み、庭の緑などを楽しめる場合があります。
こうした景色を窓で切り取ることで、家具やアートだけではつくれない住まいの表情が生まれます。
大開口の価値は、窓の面積そのものよりも、窓の先にどのような景色をつくれるかにあります。
大きな開口部から自然光を取り込むことで、室内の奥まで明るさを届けやすくなります。
特に、奥行きのあるLDKや住宅密集地では、窓の大きさや高さを工夫することで、昼間の明るさを確保しやすくなります。
ただし、「明るいこと」と「直射日光がたくさん入ること」は同じではありません。強い直射日光が入れば、夏の暑さやまぶしさにつながる可能性もあります。
採光を考える際は、窓の大きさだけでなく、方角、庇、周辺建物、季節ごとの太陽の位置まで確認することが大切です。
大開口にウッドデッキやテラス、中庭を組み合わせれば、窓を開けたときに屋内外をひと続きに使えます。
たとえば、次のような暮らしにつながります。
大開口は、単に家を広く見せるだけではなく、暮らしの範囲そのものを屋外へ広げる設計でもあります。
大開口は魅力的な設計ですが、窓を大きくすることで生じるデメリットもあります。
完成後に「こんなはずではなかった」と感じないよう、代表的な注意点と対策を確認しておきましょう。
住宅では、壁だけでなく窓からも熱が出入りします。
窓面積が大きくなる大開口では、サッシやガラスの性能が室温へ与える影響も大きくなります。冬には、室内で暖めた熱が窓から逃げたり、ガラス表面で冷やされた空気が窓際へ下りたりすることで、足元に寒さを感じる場合があります。
大開口でも寒くない家を目指す場合は、窓だけを高性能にするのではなく、建物全体の断熱・気密性能とセットで考えることが重要です。
大きな窓から強い日差しが入ると、夏場の室温上昇につながります。
特に、西向きや南西向きの窓、高台など周囲に日差しを遮る建物が少ない土地では注意が必要です。
日差しは室内に入ってからカーテンで遮るより、窓の外側で遮る方法も検討するとよいでしょう。
「明るい家にしたい」という理由だけで道路側へ大開口を設けると、歩行者や隣家から室内が見えやすくなることがあります。
せっかく大きな窓を設けても、一日中カーテンを閉めて過ごしていては、大開口の魅力を十分に活かせません。
窓だけでプライバシーを解決しようとせず、建物、庭、外構をまとめて設計することが大切です。
窓面が増えるほど、テレビ、収納、ソファ、絵画などを配置できる壁は少なくなります。
完成してから家具を置こうとしたところ、「テレビを置く壁がない」「ソファの背面が窓になってしまう」と気づく可能性もあります。
窓を決めてから家具を置くのではなく、窓と家具を同時に設計することがポイントです。
大型のガラスや吹き抜け上部のFIX窓は、日常的に掃除しにくい場合があります。
また、大型の引き戸では、長く使用するうちに戸車やレールの調整が必要になる可能性もあります。
設計時には、次の点を確認しておきましょう。
窓は完成時の美しさだけでなく、10年、20年後の維持管理まで考えて選びましょう。
窓がある部分には、基本的に耐力壁を配置しにくくなります。
そのため、大開口を増やすほど、地震や風に抵抗する壁を別の場所へ配置する必要があります。
特に、「柱の少ないLDK+大開口+吹き抜け」を組み合わせる場合は、柱、梁、床、耐力壁を設けられる場所が限られるため、構造上の検討項目が増えます。
大きな窓を設ける場合、ガラスの枚数だけでなく、サッシや開閉方法まで含めて窓の性能を考える必要があります。
窓の断熱性能は、ガラスだけで決まるものではありません。
窓全体として、次の要素を確認しましょう。
特に大開口では、窓一枚の面積が大きいため、窓全体の性能が室内環境へ与える影響も大きくなります。
| 項目 | 複層ガラス | トリプルガラス |
|---|---|---|
| ガラス枚数 | 2枚 | 3枚 |
| 断熱性能 | 高断熱住宅でも広く採用される | より高い断熱性能を確保しやすい |
| 重量 | 比較的軽い | 重くなりやすい |
| コスト | 比較的抑えやすい | 高くなりやすい |
| 大開口での確認点 | 窓全体の断熱性能を確認 | 断熱性能に加え重量や開閉性も確認 |
トリプルガラスであれば、常に最適というわけではありません。
神戸の気候、窓の方角、サイズ、冬の日射取得、開閉性、予算などを踏まえて選びましょう。
大開口をすべて開閉できる窓にする必要はありません。
「景色を見る窓」と「庭へ出る窓」を分けることで、デザイン、性能、使いやすさを両立しやすくなります。
南側の窓では、季節による太陽高度の違いを利用できる場合があります。
夏は太陽の位置が高く、冬は低くなるため、適切な深さの軒や庇を設ければ、夏の日差しを遮りながら、冬の日差しを室内へ取り込む設計が可能です。
ただし、周囲の建物や土地の向きによって条件は異なります。単純に「南向きだから大きな窓」と決めるのではなく、敷地ごとに日射を確認しましょう。
西日は、夕方に低い角度から差し込みます。そのため、屋根の庇だけでは遮りにくいことがあります。
一方、神戸では土地によって、海へ沈む夕日や夕景を楽しむために西側へ窓を設けたいケースもあります。
その場合は、眺望を諦めるのではなく、次の方法を組み合わせて日射を制御します。
眺望と日射対策のどちらかを諦めるのではなく、両者のバランスを設計することが大切です。
一枚の大きな窓に、「景色を見る」「光を入れる」「風を通す」「庭へ出る」というすべての役割を持たせる必要はありません。
たとえば、次のように役割を分けられます。
「窓を大きくする」のではなく、一つひとつの窓に役割を持たせることで、必要以上に窓面積を増やさず、眺望・採光・換気を両立できます。
すべての土地に海や山の眺望があるわけではありません。
しかし、庭や中庭を設計することで、窓の先に新しい景色をつくることはできます。
窓だけを先に決めるのではなく、窓から見える景色まで設計しましょう。
道路の正面に大開口を設けると、外から室内へ一直線に視線が入ります。
建物の向きを少し変えたり、窓の位置を道路からずらしたりすることで、視線を避けながら明るさを確保できる場合があります。
住宅密集地では、道路や隣家へ向かって大きく開くのではなく、中庭へ向かって開く方法があります。
建物をL字型やコの字型に配置し、外側の窓を抑えながら、内部の庭へ大開口を設ければ、プライバシーを確保しながら明るく開放的な空間をつくれます。
「外へ開く」のではなく「内へ開く」という発想です。
大開口のプライバシーは、窓だけでは解決できません。
塀や植栽、門扉、テラスなどを建物と一緒に計画することで、室内からの眺めを損なわず、外からの視線だけを遮ることができます。
住宅会社を選ぶ際は、建物だけでなく庭や外構まで含めて提案できるかも確認しましょう。
窓は床から天井まで大きく取るだけが正解ではありません。
用途に合わせて窓の高さを変えることで、視線を避けながら採光や眺望を確保できます。
木造住宅では、筋交いや構造用面材を使った耐力壁が、地震や風による横方向の力へ抵抗します。
窓を設ける部分には耐力壁を配置しにくいため、開口部が大きくなるほど、別の場所で構造を確保する必要があります。
そのため、窓の大きさと位置は、外観や眺望だけではなく、構造計画にも関わります。
大開口を設けたい場所とは別の位置へ、耐力壁をまとめる設計もあります。
たとえば、次の場所です。
構造壁を収納や間取りの一部として活用すれば、LDKの視線を遮りにくくできます。
耐力壁だけに頼らず、柱と梁で構成されたフレームで建物を支える方法もあります。
木造ラーメン構法やSE構法などでは、柱と梁の接合部を強固にすることで、大きな開口部を検討しやすくなる場合があります。
ただし、特定の構法を採用すれば、どの位置でも自由に全面ガラスにできるわけではありません。敷地、建物形状、吹き抜け、上階の荷重などを含め、構造計算の結果をもとに窓や柱を配置します。
大開口と吹き抜けを近い場所へ設ける場合は、特に構造計画が重要です。
大開口によって耐力壁を配置できる場所が減り、吹き抜けによって2階の床がない部分が生じるためです。
設計後半になってから構造上必要な柱や壁を追加すると、希望していた景色や空間が変わってしまう可能性があります。
大開口や吹き抜けを希望する場合は、意匠設計と構造設計を初期段階から並行して進めることが重要です。
神戸は、山と海の距離が近く、エリアによって眺望や土地の高低差、隣家との距離などが大きく異なります。
大開口を活かすには、土地ごとの特徴を読み取り、「どこへ開くか」を決めることが重要です。
六甲山麓や高台では、土地によって神戸市街や海を見渡せる場合があります。
こうした土地では、リビングやダイニングを眺望方向へ配置し、大開口やピクチャーウインドウで景色を切り取る方法があります。
海に近いエリアでは、海や空、夕景を楽しめることが大開口の大きな魅力になります。
一方で、潮風、強風、西日などへの対策も必要です。
隣家との距離が近い住宅地では、道路側へ大きな窓を設けても、視線が気になりカーテンを閉めてしまうことがあります。
このような土地では、道路側を閉じ、中庭側へ大きく開く設計が向いています。
周囲からは閉じながら、家の内側へは大きく開くことで、プライバシーと開放感を両立できます。
土地の幅が限られている場合、横方向へ大きな窓を設けることが難しい場合があります。
そのような土地では、次の方法で視線の抜けをつくります。
大開口は必ずしも横に大きな窓を設けることではありません。土地条件に応じて、視線を伸ばす方向を考えましょう。
大開口が得意な住宅会社を探す際は、窓そのもののサイズだけを見るのではなく、窓の先に何を見せているか、庭や室内とどのようにつなげているか、構造や温熱環境をどう成立させているかまで確認しましょう。
ここでは、神戸や兵庫県内で大開口を取り入れた住宅を検討できる会社の例を紹介します。
| 住宅会社 | 大開口へのアプローチ | 施工事例で確認したい点 |
|---|---|---|
| WHALE HOUSE | 必要に応じてSE構法を採用し、大空間・大開口と構造の両立を検討。庭や眺望まで含めて空間を提案 | 窓と庭のつながり、柱・梁、大空間、吹き抜け |
| seki.design | SG-Frame構法などを活用し、大きな開口部を含む空間を検討 | 構造フレームと窓、ガレージや大空間との組み合わせ |
| フリーダムアーキテクツ | 土地や眺望、周辺環境に合わせて窓・中庭・吹き抜けを個別に設計 | 窓配置、中庭、プライバシー、視線の抜け |
| L.D.HOMES | 庭や海など外部への視線を意識したシンプルな空間を提案 | 眺望、ウッドデッキ、室内外の一体感 |
WHALE HOUSEは、神戸を拠点に完全自由設計の住宅を手がけています。
大開口を単純な「大きな窓」として考えるのではなく、室内から何を見るのか、庭とどうつながるのか、家具をどこへ置くのか、柱や壁をどこに配置するのかまで含めた空間として計画することを重視しています。
大きな窓と柱の少ない空間を組み合わせる場合には、必要に応じてSE構法を採用し、構造計算をもとに大開口と耐震性の両立を検討します。
施工事例を見る際は、次の点を確認するとよいでしょう。
seki.designは、木造門型のSG-Frame構法などを使い、大きな開口やガレージを含む空間を提案する一級建築士事務所です。
大開口の施工事例では、窓の大きさだけでなく、構造フレームをどこに配置し、空間の一部としてどのように見せているかを確認するとよいでしょう。
フリーダムアーキテクツは、土地、周辺環境、暮らし方に応じて、住宅を個別に設計しています。
道路側へ大きく開くのか、中庭へ開くのか、高窓で光だけを取り込むのかなど、土地ごとに異なる窓の配置を確認できる会社例です。
施工事例では、外からの視線をどのように避けながら開放感をつくっているかに注目してみましょう。
L.D.HOMESは、窓の位置や外部空間とのつながりを意識した住宅を手がけています。
施工事例では、海や庭へ視線が伸びるリビング、ウッドデッキやバルコニーと室内をつないだ空間などを確認できます。
窓自体を目立たせるのではなく、景色や室内外のつながりをどう見せているかを確認するとよいでしょう。
施工事例を見る際は、窓の大きさや見た目だけでなく、その窓がなぜその場所にあるのかを確認しましょう。
「高性能な窓です」という説明だけでなく、サッシやガラスの仕様を具体的に説明できる会社か確認しましょう。
相談時には、次のような質問が役立ちます。
単純に「南向きだから大開口にしましょう」と提案するのではなく、周辺の建物や季節ごとの太陽の位置まで確認しているかを見ましょう。
大開口のある住宅では、「窓を大きくできます」という説明だけでなく、その分減った壁をどこで補うのかまで確認する必要があります。
次のような質問をしてみましょう。
魅力的な大開口は、窓単体では完成しません。
窓の先の庭、植栽、塀、テラス、室内の家具や照明まで一体で考えることで、はじめて「開けておきたくなる窓」になります。
図面や施工写真だけでは、日差し、視線、温度、実際の窓の大きさまでは分かりません。
大開口のある家を見学できる場合は、次の点を確認しましょう。
可能であれば、季節や時間帯の違う施工事例についても説明を聞き、夏・冬の住み心地を確認しましょう。
窓面積が大きくなるほど、熱の出入りは増えやすくなります。
ただし、窓の断熱性能、建物全体の断熱・気密性能、日射取得、空調計画などを適切に組み合わせれば、快適性を確保できる可能性があります。
必ずしもトリプルガラスが必要というわけではありません。
神戸の気候、窓の方角、サイズ、日射、開閉性、予算などによって適した仕様は異なります。住宅会社へ窓全体の性能について相談しましょう。
南向きであっても、必ず大開口が最適とは限りません。
道路からの視線、隣家の影、夏の日射、家具配置などによっては、窓を分割したり、中庭側へ開いたりする方が暮らしやすい場合があります。
窓の部分には耐力壁を配置しにくいため、大開口は構造計画へ影響します。
ただし、別の場所へ耐力壁を配置したり、柱・梁によるフレームを使ったりしながら構造計算を行うことで、大開口と必要な耐震性を両立できる可能性があります。
景色を見ることが主な目的であれば、FIX窓も選択肢になります。
換気や庭への出入りは別の開閉窓で確保し、「景色を見る窓」と「使う窓」を分ける方法があります。
道路側へ直接大きな窓を設ける以外にも、中庭へ向かって開く、窓の高さを調整する、植栽や塀で視線を遮るなどの方法があります。
土地と道路、隣家の位置を確認しながら、プライバシーを確保できる開き方を検討しましょう。
大開口のある家を成功させるためには、単純に大きな窓を設置するのではなく、眺望・採光・性能・構造・暮らし方を一体で考えることが重要です。
住宅会社を比較する際も、窓の大きさだけではなく、「なぜそこに窓があるのか」「その窓から何を見せようとしているのか」を施工事例から読み取ることが大切です。
WHALE HOUSE、seki.design、フリーダムアーキテクツ、L.D.HOMESなど、異なる構造・設計方法で大開口を取り入れている会社の事例を比較し、自分たちが求める景色や暮らしに合った会社を探してみましょう。
住宅会社へ相談するときは、「大きな窓が欲しい」ではなく、「ソファに座ったときに庭の緑を眺めたい」「ダイニングから海を見たい」と、窓の先で実現したい暮らしまで伝えることをおすすめします。
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