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大きな窓から光が入るリビングや、上下階がつながる吹き抜け、柱の少ない広々としたLDK。デザイン住宅を考えるなら、こうした開放的な空間に憧れる方も多いのではないでしょうか。
一方で、「窓を大きくすると冬寒くならない?」「吹き抜けは冷暖房が効きにくそう」「高気密・高断熱にすると窓が小さくなり、デザインの自由度が下がるのでは?」と心配になることもあります。
結論からいうと、デザイン性と高気密・高断熱は、どちらか一方を諦めなければならないものではありません。
大切なのは、断熱材だけで住宅性能を考えるのではなく、窓、気密、換気、日射、空調、間取りまで含めて、開放的な空間を快適に成立させることです。
この記事では、大きな窓や吹き抜け、大空間のあるデザイン住宅で高気密・高断熱を実現するために、どのような点を確認すればよいのかを解説します。
あわせて、神戸でデザインと住宅性能の両方を考えた家づくりを検討できる住宅会社の例も紹介します。
高気密・高断熱住宅というと、「窓を小さくして、できるだけ外へ開かない家」をイメージする方もいるかもしれません。
しかし、高い住宅性能を目指すからといって、大きな窓や吹き抜けを必ず諦める必要があるわけではありません。
重要なのは、窓をなくすことではなく、どこに、どのくらいの大きさの窓を設け、そこから入る熱や光をどのようにコントロールするかを考えることです。
たとえば、大きな窓を設ける場合でも、窓そのものの断熱性能を高めたり、夏の日射を軒や庇で遮ったり、冬の日射を室内へ取り込んだりすることで、開放感と快適性の両立を目指せます。
デザインと住宅性能を別々に考えると、プラン完成後に「この大きな窓では暑くなりそうだから小さくしましょう」「吹き抜けは寒くなるのでやめましょう」と、希望していた空間を削ることになる場合があります。
反対に、設計の初期段階から、次の要素を一緒に検討すれば、希望するデザインを残しながら性能面の課題へ対応しやすくなります。
「デザインを決めてから性能を足す」のではなく、「デザインと性能を同時につくる」ことが、開放感と快適性を両立するポイントです。
住宅の省エネルギー性能についても、家づくりを考えるうえで無視できない要素になっています。
2025年4月以降に着工する新築住宅では、省エネ基準への適合が原則として義務化されています。さらに国は、遅くとも2030年までに新築住宅の省エネ基準をZEH水準へ引き上げる方向を示しています。
そのため住宅会社を比較する際も、「どんなデザインができるか」だけでなく、希望する空間をどのような住宅性能で成立させるのかまで確認することが大切です。
「高気密・高断熱」とひとまとめに表現されることが多いですが、気密と断熱では役割が異なります。
| 性能 | 主な役割 | 代表的な確認方法 |
|---|---|---|
| 断熱性能 | 屋根・壁・床・窓などから熱が出入りしにくくする | UA値、断熱等級、使用する断熱材・窓など |
| 気密性能 | 建物にある意図しないすき間から空気が出入りするのを抑える | C値、気密測定の実施状況など |
断熱性能は、外気の暑さや寒さが室内へ伝わりにくく、室内の熱も外へ逃げにくくするための性能です。
屋根、外壁、床などへ断熱材を施工するほか、窓や玄関ドアなどの開口部も含め、建物全体で考えます。
住宅の断熱性能を確認するときによく使われる指標が「UA値」です。
UA値は、建物内部から外部へどの程度熱が逃げやすいかを表す指標で、基本的には数値が小さいほど熱が逃げにくいことを示します。
ただし、UA値だけで実際の室温や快適性がすべて決まるわけではありません。窓の位置や日射、気密、換気、空調なども含めて判断する必要があります。
気密性能は、壁や床、天井、窓まわりなどに生じる意図しないすき間をどの程度減らせているかを見る性能です。
断熱材を十分に施工していても、建物に多くのすき間があれば、そこから外気が入り、室内の空気が外へ逃げることがあります。
気密性能を見る代表的な数値が「C値」です。C値は建物全体のすき間面積を延床面積で割って求めるもので、数値が小さいほどすき間が少ないことを表します。
ただし、現在は「C値がいくつ以下なら高気密」という全国共通の法的な基準があるわけではありません。
住宅会社を比較するときは数値だけを見るのではなく、次の点も確認するとよいでしょう。
高気密な住宅では、意図しないすき間からの空気の出入りが少なくなるため、計画した給気口と排気口を使って空気を入れ替えることが重要になります。
そのため住宅性能を見る際は、断熱性能と気密性能だけではなく、換気計画まで確認しましょう。
特に確認したいのは次の点です。
「UA値が低いから快適」「C値が低いから快適」とひとつの数値だけで判断せず、住まい全体の仕組みを見ることが大切です。
開放的なデザイン住宅では、床から天井近くまである大きな窓や、庭・景色へ向かって開く大開口を設けることがあります。
ただし、窓は壁とは構成が異なるため、住宅の温熱環境を考えるうえで重要な部分です。
大きな窓を希望する場合は、単に「大きくできるか」だけでなく、次の点を確認しましょう。
つまり、「大きな窓だから性能が低い」のではなく、大きな窓をどのような仕様・配置で設計するかが重要です。
吹き抜けのある家について、「暖かい空気が上へ逃げるから冬は必ず寒くなる」と思われることがあります。
実際には、吹き抜けだけで室温が決まるわけではありません。
吹き抜けの快適性には、次のような要素が関係します。
吹き抜けそのものを原因と考えるのではなく、大きな空間全体をどのように一定の温熱環境へ近づけるかを考えることが重要です。
30畳・40畳といった広いLDKをつくる場合も、「広いから大きなエアコンをつければよい」と単純に考えないようにしましょう。
同じ広さのLDKでも、次の条件によって必要な冷暖房の考え方は変わります。
大空間をつくる際は、LDKだけを切り取るのではなく、家全体の空気がどのように動くのかまで考えて計画しましょう。
大きな窓から自然光を取り込む家では、太陽の光だけでなく熱も室内へ入ってきます。
そこで重要になるのが、季節によって日射を使い分ける考え方です。
| 季節 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 冬 | 取り込める日射を室内へ入れ、暖房負荷を抑える方向で考える |
| 夏 | 強い日射を室内へ入れすぎないよう、軒・庇・外付け日除けなどで遮る |
日射の入り方は、建物の向きや窓の大きさだけでなく、周囲の建物、山、樹木などによっても変わります。
そのため、「南側だから大きな窓をつける」と決めるのではなく、敷地ごとの太陽の入り方を確認しながら窓を決めることがポイントです。
デザインと住宅性能を両立するうえで特に重要なのが、プランニングの順番です。
間取りや外観が完成したあとに、断熱材や設備だけを追加して性能を整えようとすると、次のような問題が起こる場合があります。
そのため、間取りや外観を考える初期段階から、構造・断熱・気密・窓・換気・空調まで含めて設計することが大切です。
断熱性能を比較するときはUA値がひとつの判断材料になりますが、UA値だけで住み心地が決まるわけではありません。
同じUA値でも、窓の配置や日射条件、気密性能、換気、空調計画などが違えば、室内環境も異なります。
住宅会社へ相談するときは、「UA値はいくつですか?」だけでなく、「この間取りでは夏と冬にどのような室温になることを想定していますか?」と聞いてみるとよいでしょう。
気密性能を示すC値は、図面上だけで決まるものではありません。
建材同士の接合部や配管、配線、窓まわりなど、実際の施工精度も影響します。
そのため住宅会社を比較するときは、目標としているC値だけでなく、実際に完成した建物で気密測定を行っているか確認しましょう。
住宅性能だけを優先するのであれば、窓を減らすことで外気の影響を抑えやすくなる場面もあります。
しかし、家は性能数値だけのためにつくるものではありません。
窓には、次のような役割があります。
性能を高めるために一律に窓を小さくするのではなく、暮らしに必要な窓へ性能を持たせるという考え方も大切です。
高性能なエアコンや換気設備を導入しても、夏の日射が大量に入る窓や、断熱・気密性能が十分でない建物では、設備への負荷が大きくなります。
まずは建物そのものの性能と日射計画を整え、そのうえで設備を組み合わせることが基本です。
設備だけではなく、建築と設備の両方から快適性を考える住宅会社かどうかを確認しましょう。
「高断熱です」「冬暖かい家です」という説明だけでなく、UA値や断熱等級、窓の仕様など、性能を具体的に説明できるか確認しましょう。
また、標準仕様なのか、追加費用が必要な仕様なのかも確認しておくことが大切です。
気密性能を重視する場合は、住宅会社が実際に気密測定を実施しているかを確認しましょう。
質問するときは、次のように聞くと具体的です。
断熱材の種類だけを詳しく説明する会社よりも、窓や換気まで含めて住宅性能を説明できる会社かを確認しましょう。
特に大開口や吹き抜けを希望している場合は、「この窓を設けた場合、夏と冬の室内環境をどう考えますか?」と聞いてみると、その会社の設計方針が見えやすくなります。
性能数値が高いだけでは、自分が希望するデザインを実現できるとは限りません。
大きな窓や吹き抜け、柱の少ないLDKを希望しているなら、同じような空間を実際に施工した事例があるか確認しましょう。
施工事例を見る際は、写真だけでなく、次の点も確認するとよいでしょう。
開放的な住宅では、完成した間取りだけを見るのではなく、夏と冬にどの程度日差しが入るかを確認することも大切です。
住宅会社によっては、日射・日照シミュレーションなどを使い、季節ごとの光や熱の入り方を確認しながら設計します。
設計打ち合わせでは、次のような点を聞いてみましょう。
住宅性能は設計図だけで完成するものではありません。
気密性能などは、現場での施工精度にも左右されます。
そのため、設計者だけでなく、現場監督や職人まで性能に対する考え方を共有しているかも確認したいポイントです。
「設計上は高性能」ではなく、「実際に建った家で性能を確認できる仕組みがあるか」を見てみましょう。
デザインと住宅性能を両立した家を建てたい場合は、単に「高気密・高断熱」を掲げているかだけではなく、どのような空間をつくりながら性能を確保しているのかを比較することが大切です。
ここでは、神戸でデザインと住宅性能の両方を確認できる住宅会社・設計事務所の例を紹介します。
| 住宅会社 | デザイン・性能へのアプローチ | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| WHALE HOUSE | 大開口・吹き抜け・大空間などの開放的な設計と、断熱・気密・換気・日射を組み合わせて検討 | UA値・C値、気密測定、窓、換気、日射設計、大空間の施工事例 |
| つむぎ建築舎 | 高断熱・高気密住宅やZEHを掲げ、性能と暮らし方を含めた住まいづくりを提案 | UA値・C値、ZEH仕様、サッシ・断熱仕様、施工事例 |
| ショーナヒュース | スウェーデン住宅をベースに、断熱・気密・換気などを組み合わせた北欧スタイルの高性能住宅を提案 | 断熱・気密・換気の仕様、窓、北欧デザインとの組み合わせ |
| seki.design | 敷地や暮らし方に合わせた個別設計を行い、大きな窓や日射、断熱を組み合わせた施工事例も確認できる | 窓と日射の設計、断熱方法、軒・庇、敷地条件への対応 |
WHALE HOUSEは神戸を拠点に、SE構法を活用した大空間・大開口など、開放的な住宅設計を手がけています。
一方で、デザインだけではなく、断熱・気密・換気・窓などを含めて住宅性能を考えていることも特徴です。
公式情報では、全棟でC値0.3cm²/m²以下を掲げ、完成後に気密測定を実施するとしています。また、モデルプランでは、UA値0.46W/㎡K以下、樹脂サッシとLow-E複層ガラス、第1種換気を組み合わせた仕様例が確認できます。
施工事例を見る際は、単に性能数値を見るだけではなく、大きな窓、吹き抜け、広いLDKなどを取り入れながら、どのように温熱環境を整えているかを確認するとよいでしょう。
つむぎ建築舎は、神戸市西区を拠点に住宅を手がける会社です。
公式サイトでは新築住宅について高断熱・高気密住宅を掲げており、UA値0.75W/㎡K以下、C値0.7cm²/㎡以下を目安として掲載しています。
また、新築住宅ではZEHを標準仕様とする方針も示しています。
性能数値だけではなく、木や自然素材などを使った住宅デザインと、断熱・省エネルギー性能をどのように組み合わせているかを施工事例で比較してみるとよいでしょう。
ショーナヒュースは、神戸市北区を拠点にスウェーデン住宅を手がけています。
断熱、気密、換気などを組み合わせた高性能住宅を掲げていることに加え、北欧住宅らしい外観・インテリアデザインも特徴です。
「高性能住宅にしたいが、性能だけでなくデザインにも明確な好みがある」という場合は、性能とテイストをどのように両立しているかを施工事例で確認するとよいでしょう。
seki.designは、神戸・芦屋・西宮などを中心に住宅設計を手がける一級建築士事務所です。
住宅を決まった仕様へ当てはめるのではなく、敷地条件や暮らし方から住まいを個別に設計しています。
公式サイトでは、大きなガラス窓から冬の日差しを取り込み、夏は庇によって日射を遮りながら、断熱性能と組み合わせて室内環境を整えた施工事例も確認できます。
大きな窓や景色を取り込む住宅を検討している場合は、窓そのものだけでなく、太陽の動きや軒・庇、断熱まで含めて設計しているかを見るとよいでしょう。
高気密・高断熱住宅は、カタログの数値だけでは実際の空間の感じ方までは分かりません。
モデルハウスや完成見学会へ行く機会があれば、デザインと性能の両方を意識して確認してみましょう。
特に可能であれば、春や秋だけでなく、真夏や真冬に住宅を体感すると、窓際や吹き抜け、大空間の温熱環境を確認しやすくなります。
必ずしも窓を小さくする必要はありません。
ただし、大きな窓を設けるほど窓性能や日射設計の重要性は高まります。
どこへ大きな窓を設けるか、どの性能の窓を採用するか、夏の日差しをどう遮るかまで含めて検討しましょう。
吹き抜けがあるだけで必ず寒くなるとは限りません。
建物全体の断熱・気密性能、窓、日射、空調計画などによって室内環境は変わります。
吹き抜けを希望する場合は、吹き抜け部分だけではなく、家全体の温熱環境を設計してもらいましょう。
どちらか一方だけを重視するのではなく、両方を確認することをおすすめします。
UA値は主に断熱性能、C値は主に気密性能を見るための指標であり、それぞれ役割が異なります。
さらに窓、換気、日射、空調なども含め、住宅全体で確認しましょう。
現在、「この数値以下なら高気密住宅」と定める全国共通の法的基準はありません。
そのため、特定の数値だけで判断するよりも、住宅会社がどの程度の数値を目標とし、全棟で実測しているかを確認することが重要です。
高気密住宅では、すき間から偶然空気が入れ替わることに頼らず、換気設備で計画的に空気を入れ替えることが重要です。
そのため、気密性能だけを見るのではなく、換気方式、給排気口の位置、メンテナンス方法まで確認しましょう。
窓の方角や大きさ、ガラス性能、日射遮蔽によっては、夏の室温へ大きく影響する場合があります。
軒や庇、外付けブラインドなどを使い、夏の日射を室内へ入れすぎないよう設計することが重要です。
一方、冬は日射を暖房の助けとして利用できる場合もあります。季節ごとの太陽の位置まで考えて窓を計画しましょう。
デザイン住宅で大きな窓、吹き抜け、広いLDKをつくりたいからといって、快適性を諦める必要があるとは限りません。
大切なのは、デザインと性能を別々に考えないことです。
高気密・高断熱だから窓を小さくする、大きな窓や吹き抜けをつくるから暑さ・寒さを我慢する、という二者択一で考えるのではなく、「この空間を快適に成立させるには何が必要か」という視点で家全体を設計することがポイントです。
WHALE HOUSE、つむぎ建築舎、ショーナヒュース、seki.designなどを比較するときも、単に「高性能住宅か」「デザイン住宅か」で分けるのではなく、希望するデザインと住宅性能をどのように結びつけているかを施工事例や打ち合わせで確認してみましょう。
住宅会社へ相談するときは、「高気密・高断熱にしてください」と伝えるだけでなく、「大きな窓から景色を楽しみながら冬も快適に暮らしたい」「吹き抜けのあるLDKで夏も過ごしやすくしたい」など、実現したい空間と暮らし方まで共有することをおすすめします。
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